このトピックは、クラウドBOTを使ってkintoneの自動化を試してみたいと考えられている方へ向けた、ガイドコンテンツです。
この記事で解説している内容
「kintoneにログインするだけのシンプルなBOT」の作成手順について解説します。
まずは、クラウドBOTの操作に慣れつつ、実際にシンプルなBOTを作成し、実行するまでの流れを実践してみましょう。
BOTの作成手順
BOTエディタを開き、BOT作成の準備をする
「BOTを作る」ボタンをクリックします。
以下のような画面が開きます。この画面をBOTエディタ画面といいます。この画面内でBOTを作成します。
まずは操作を記録するために使用する仮想ブラウザを起動します。
「仮想ブラウザを起動する」ボタンをクリックします。
最初のURLを入力するフォームが表示されますので、
kintoneのログイン画面のURLを入力し、青い虫眼鏡ボタンをクリックします。
すぐに使えるkintoneアカウントがない場合は、以下のデモサイトを使用して下さい。
URL: https://c-bot.cybozu.com/login
ログイン名: cbotdemo
パスワード: cbotdemo
仮想ブラウザ上にkintoneのログイン画面が表示されます。
画面左上の3本線メニューをクリックします。
サイドメニュー内の、「ブラウザ操作を記録する」ボタンをクリックします。
1番目のタスクとして、kintoneのログイン画面にアクセスするタスクが記録されます。
ログイン操作を記録する
仮想ブラウザに表示されているkintoneの画面から、ログイン名の部分をクリックします。
同じ場所でもう一度クリックすると操作メニューが表示されます。
「入力する」を選択します。
kintoneのログイン名を入力します。
入力後、青いチェックマークをクリックして確定します。(キーボードのEnterキーでもOKです。)
ログイン名を入力するタスクが追加されます。
このように、仮想ブラウザ内の要素を選択→操作を選択という流れで、ブラウザ操作を記録してきます。
ログイン名と同様の手順で、パスワードの入力も記録します。
タスクが以下のように記録されていればOKです。
続いて、ログインボタンをクリックする操作を記録します。
仮想ブラウザで、ログインボタンを選択します。
同じ場所で、もう一度クリックし、表示されたメニューから 「クリック」を選択します。
確認が表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。
ログインボタンをクリックするタスクが記録され、仮想ブラウザ上でkintoneへのログインが完了します。
この仮想ブラウザは、クラウドBOTのサーバ上に起動したブラウザを遠隔で操作しています。ここで行った操作は、実際のkintoneに適用されます。
kintone上の処理を実行するボタンのクリックや、データを編集する操作を記録する際はご注意下さい。
仮想ブラウザの実行時間について
仮想ブラウザはデフォルトで10分しか実行できません。
左上に表示されている青いバーは仮想ブラウザの実行経過時間です。
ここまでの操作記録で、残り時間が少なくなっていると思いますので、一度仮想ブラウザをリセットします。
画面左上の 「停止」をクリックします。
・仮想ブラウザが停止し、画面が白くなります。
・タスクカーソルの位置が一番上に戻ります。
「実行」をクリックします。
仮想ブラウザが新しく起動し、先ほど操作を記録したところまで自動処理が実行されます。
ログイン処理を自動化する際のおすすめ設定
BOTは記録された処理を高速で実行します。
稀に、ログイン処理を行った後すぐに他のタスクを実行すると、
まだログイン処理が完了していない状態で次の操作を行い、エラーになる場合があります。
この問題を回避するため、ログイン後に、ログインしたことを確認するタスクを入れる事をおすすめします。
ログイン後の画面にある要素を選択します。なんでもOKですが、今回はkintoneのサービス名の書かれたボタンを選択します。
もう一度クリックしてメニューを表示し、「その他機能」から「この要素が表示されるまで待機」を選択します。
このタスクを入れておく事で、ログインボタンをクリックした後、ログイン後の画面に存在する「kintone」と書かれたボタンが表示されるまで待機し、次のタスクに進むように設定できます。
データ名を調整する
クラウドBOTは操作を記録する際に入力した値にデフォルトで、「値101」「値102」というデータ名が付与されます。
このままですと後で管理し辛いので、データ名を変更しておきましょう。
画面左下の 「ビューア」をクリックします。
データビューアという画面が開きます。
ここでは、このBOTが扱う全てのデータを見ることができます。
値101と書かれた部分をクリックします。
データ名をわかりやすい名前に変更し、青いチェックボタンで確定します。
同じように、全てのデータをわかりやすい名前に変更しておきましょう。
データ名を変更したら、画面右下の 「OK」ボタンをクリックします。
作成したBOTを保存する
画面左上の 「保存」をクリックします。
以下のような画面が表示されますので、
BOT名をわかりやすい名前に変更します。
続いて、入力データという欄を確認して下さい。
“ログイン名”には初期値が入っていますが、“パスワード”は設定禁止となっています。
※クラウドBOTは操作記録を行う際、機密性の高い情報は勝手に保存しないようになっています。これは、BOTを複製したり、エクスポート・インポートした際に、意図せず情報が漏れてしまう事を防ぐための仕様です。
しかし、設定禁止状態になっていると、BOTを実行する度にパスワードの入力が求められることになります。
自身の自動化を行うというシーンにおいては、利便性が良くありませんので、今回はパスワードをBOT内に保存する設定を行います。
( 実際に運用される際に設定する場合は、ご自身でセキュリティリスクの判断をお願いいたします。)
パスワードの初期値欄のチェックボックスをクリックします。
警告が表示されますので、「OK」をクリックします。
パスワードの初期値が入力できる状態になりますので、改めてパスワードを入力します。
設定が完了したら、画面右下の 「保存」ボタンをクリックします。
初回保存時のみ、以下のようなメールの通知を行う設定の案内が表示されます。
設定しておくとBOTがエラーになった際などに、メールで通知を送る事ができます。
後で設定変更できますので、今回は「キャンセル」で閉じます。
保存が完了したら、画面左上の 「終了」をクリックし、BOTエディタを閉じます。
BOTの実行手順
ダッシュボード画面に戻ると、作成したBOTが表示されています。
BOTを実行する際は、実行するBOTをクリックします。
続いて 「実行する」ボタンをクリックします。
実行画面が表示されます。
データという欄で今回の実行で使用するデータの値を設定して実行します。
クラウドBOTでは、操作内容はそのままで、使用するデータのみを実行時に差し替えて実行できるようになっています。
(今回のケースですと、他のログイン名、パスワードを使ってログインする操作を自動的に行う事ができます。)
この画面に入力されている初期値は、先ほど保存画面で設定した初期値です。
※パスワードが設定禁止になっていると、この初期値が空欄になります。
「実行」をクリックして、BOTを実行します。
実行が完了し、 「正常終了しました。」 と表示されればOKです。
これで、kintoneにログインするだけのシンプルなBOTの作成が完了しました。
クラウドBOTの基本操作と、実行方法についてはご理解頂けましたでしょうか。
次回は実際にアプリの操作を自動化する方法について紹介したいと思います。
サンプルBOTの定義ファイル
以下のリンクから今回作成したBOTの定義ファイルをダウンロード頂けます。
kintoneにログインするBOT.jws (4.7 KB)
定義ファイルはご自身のクラウドBOTアカウントにインポートしてご確認下さい。
BOTのインポート方法につきましては、以下のチュートリアルをご参照下さい。